シマウマの自由帳

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インドでしか生まれないラブストーリーがある「めぐり逢わせのお弁当」映画レビュー

インドという国は私が想像していたよりはるかに不思議の国で、そこに流れるラブストーリーは当然ながら、思いもよらないかたちで育まれた。で、ありながら、一方で恋する乙女は万国共通なのかなと

なんとなく、何の心配もいらない明るく元気な物語を見たくて、TSUTAYAで「コメディ」の棚からインド映画を引き抜いて見たら、全然コメディではなかった。

「めぐり逢わせのお弁当」とは

 夫のために作った弁当が別人に届けられてしまったことをきっかけに弁当を通じて文通をすることになった若い人妻と初老の孤独な男との心の交流を描いている。(wikipediaより)

監督:ジョージ・ミラー

主演:イルファーン・カーン、ニムラト・カウル

日本公開:2014年8月9日

再生時間:105分

私たちの知らないインドの日常から生まれるラブストーリー

 上段のあらすじを読んでもインド人でない私たちには「お弁当が別人に届けられる」がどういうことなのかわからない。

 これがどういうことかというと、インドでは夫の出勤後に妻が夫のお弁当を作り、それをお弁当配達業者が回収、配達してくれるという温かいお昼ご飯を食べるための一般的なサービスが土台にある。あらかじめ配達先は指定されているので間違うことはないはずだが、業者のミスで赤の他人に配達され、そこから始まるラブストーリーがこの映画である。

 この他にもこの映画の中にはインドの日常が随所に見えた。上階に住む伯母と大声で会話する、電車の中で合唱する小学生、満員電車で通勤する会社員、その満員電車で野菜を切る同僚。

 ヒロインの振る舞いもインドらしい。冷たい夫を振り向かせようとするのにその表情は日本人や欧米人と比べたら愛想がない。誤配達先の男からのラブレターをドキドキして開くのに椅子の上にあぐらをかく。

 書き出していたらきりがないほど、インドは不思議の国だ。だけど、どんな世界でもふとしたきっかけから誰かに惹かれ、焦がれて、どぎまぎする気持ちは変わらない。

 世界は広くて近いなあ。

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